ふじっこ ふうちゃん

藤の妖精

~ふうちゃん誕生物語製作秘話

(藤岡商工会商業部会)

“藤岡”への思いを「ふうちゃん」に託して

昭和53年4月に誕生した藤岡町(現在の豊田市藤岡地区)では、町制施行当時、町の花や、木などが制定され「ふじ」が公式の花とされました。これは、町名にあわせて、地区内の随所に野生の「ふじ」の花が見受けられたことが由来と考えられます。以来、藤岡を代表する花として、御作町の「ふじの回廊」をはじめ、地区内の小学校、こども園、公園などには「ふじ棚」が作られ、町民に憩いをもたらす場所となっています。平成2年に藤岡町商工会(現在の藤岡商工会)では、地域の特産品づくりと名所、旧跡の掘り起こしが行われました。それとともに、藤岡をあらわすキャラクターマークの制作も行いました。そうした中、生まれてきたのが「藤っ子ふうちゃん」(以下「ふじっこふうちゃん」または「ふうちゃん」)です。藤岡町時代から、藤岡地区の宣伝大使として幅広く活動をしています。

平成17年に藤岡町は豊田市と合併しました。今では「何処の出身ですか?」と聞かれたときに「藤岡です。」と答えても、「藤岡って何処ですか?」と言われることも多くなりました。昔から藤岡に住んでいる人たちにとっては藤岡としての地域力が弱まったように思えて少し寂しく感じられます。時代変化の中、商業者を取り巻く環境は非常に厳しい状況ですが、地域力の向上こそが商工業の発展に繋がると強く思います。そうした思いもあり、藤岡の魅力を内外に強く発信することが必要だと考え、今回の絵本製作に取り組みました。

“今”こそ「ふうちゃん」活躍の時!

藤岡商工会では、経営発達支援計画の認定を受け、小規模事業者の経営改善発達に精力的に取り組んでいます。「ふじ」の花色である紫色から藤岡を連想させる活動を行う「紫プロジェクト」、一定の条件を満たした事業者に対して情報発信等を積極的に行い個社支援の強化に繋げる「ふうちゃんブランド認定事業」など、地域をあげた「ふじ色化」と、地域資源や特産品などをブランド化する事業が、その一環です。

 今回、「ふうちゃん」には今後のさらなる活躍を期待して大きく2つの役割を託しました。1つは、「藤岡という地域はこんなに良いところだよ!」と声を上げて大きくアピールしてもらうことです。私たちの住む藤岡にはまだまだ良いところがいっぱいあります。

 もう1つは、多くの人たちを元気にすることです。「ふうちゃん」は、絵本の中で、小さな男の子を助けて元気にしましたが、もっともっと藤岡の人たちを元気にし、笑顔が溢れる地域へと導いて欲しいと思います。そして、商業者は「ふうちゃん」と共に地域活性化の担い手として自社を発展させることを使命とし、今後も努力を惜しむことなく継続していかなければなりません。

“未来”を担う若者たちへの期待を込めて

愛知県立加茂丘高校文芸部の皆さんに「ふうちゃん」誕生から現在の活躍までの物語として絵本製作を依頼したところ、快くお引き受けいただき、このような素晴らしい作品ができあがりました。生徒さんたちとも直接お会いをして商業者の思いをお話ししましたが、「ふうちゃん」生誕の場面は、本当によく考えて作られていて、説得力のあるストーリー仕立てになっています。また、絵本に描かれた絵も物語の信憑性を高めています。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

藤岡商工会商業部会としては、これからも今まで以上に「ふじっこふうちゃん」の活躍に期待を寄せつつ、地域社会と一体になって、地域の活性化に尽力していきたいと考えています。